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薬用(殺菌)石鹸がアメリカで禁止!危険や影響、石鹸を見分ける方法

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先日、衝撃的なニュースが入ってきました。

それは、『アメリカで殺菌作用のある石鹸の販売が禁止された』というもの。

一瞬、「アメリカでは日本より強い成分の石鹸が販売されているの?」という感覚でこの情報を受け止めてしまいましたが、けして他人事では無く、日本でも石鹸に配合されている成分が禁止されたという内容です。

今回の記事では、殺菌作用があるとされる石鹸が禁止される理由や、日本への影響、日本で売られている石鹸の見分け方についてまとめます。

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アメリカで禁止された殺菌石鹸

米食品医薬品局(FDA)は2日、19種類の殺菌剤を含有する抗菌せっけんなどの販売を禁止すると発表した。通常のせっけんと比べて優れた殺菌効果があるとは言えず、健康に悪影響を及ぼすリスクがあると警告している。

FDA医薬品部のジャネット・ウッドコック(Janet Woodcock)氏は、「抗菌せっけんには細菌増殖を防ぐ効果があると消費者は考えているかも知れないが、通常のせっけんと水で洗うよりも有効であることを裏付ける科学的根拠はない」と明言した。その上で「殺菌剤が長期的には益より害になる可能性を示したデータもある」と説明した。参考:AFP

内容を見てみると、

①19種類の殺菌剤の内、1つでも入っている石鹸を販売禁止

19種類となっていますが、主に殺菌石鹸に使われているのはトリクロサンとトリクロカルバン。日本の殺菌石鹸にもこの2つが多く使われていますが両方共アメリカでは禁止された形となります。

②通常の石鹸より有効という科学的根拠が得られなかった

米食品医薬品局とは日本で言うと厚生労働省のような役割。効果が得られる事を示すデータを求めたが、データが得られる事は出来なかった。

③長期的に見ると殺菌剤は害になる恐れがある

一番気になるのは『長期的には害になる恐れがある』という部分。「菌を倒して衛生的に・・」というつもりで殺菌石鹸を使い続けてきたのですが『害』とはいったいどういう事なのでしょうか。

 

殺菌石鹸の有害性とは?

殺菌石鹸の75%に使われているとされる『トリクロサン』についてアメリカの科学者が以下の様な危険性を唱えています。

トリクロサンは、経口と皮膚を経由して体内に取り込まれる。人体の中に存在しているほか、母親から胎児に移ることもある。複数の研究によると、赤ん坊は誕生直後から殺菌剤に晒されることがわかっている。これは、殺菌剤に大きく依存している病院出産を行った場合に特に顕著だ。

論文では、体内のマイクロバイオーム──われわれの体内や体表に存在する、健康に大きな影響を与える微生物の集まり──が形成される初期段階で殺菌剤に晒されることにより、わずかではあるが長期的に健康に影響を与える可能性があると記されている。殺菌剤が人間のマイクロバイオームを混乱させることで、神経疾患から関節炎、アレルギー、肥満、過敏性腸症候群まで、広範にわたる症状が起こる可能性があるからだ。参考:WIRED

一言で言うと「人体に必要な細菌バランスを崩してしまい様々な症状を引き起こしてしまう」というものです。

皮膚から体内へ

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必要な細菌に影響を与えてしまう

今回、アメリカでは通常の手洗いの短い時間では『薬用と普通の石鹸で菌への効果は変わらない』という結論に至りましたが、長期的に見たら体内の必要な菌へ影響を与えるという事になります。

 

日本でも調査

アメリカで禁止された・・となると、日本ではどうなの?

と、心配になりますが、日本でも調査が開始されました。

実は、「殺菌石鹸に危険性がある」と言われる様になったのは何年も前の話・・。実際、ヨーロッパでは1年以上前に禁止されています。アメリカで禁止された途端に調査するのは日本らしい部分でしょうか。

しかし、規制事項は国によって様々です。ヨーロッパでは発がん性があるとしてかつお節を輸出できません。逆に日本では禁止だけど海外ではOKという成分も沢山あります。

今回の殺菌石鹸に関しても、アメリカの決定により調査を開始しましたが、必ずしも日本で禁止になるとは限らないでしょう。

しかし、これだけ大きな報道となりイメージダウンとなった殺菌成分を使った製品開発が今後も続くとは思えないので徐々に商品は減っていくのではないでしょうか。

 

殺菌石鹸の見分け方

今回の件により「禁止されていないとはいえ殺菌石鹸は少し控えたい・・」と考えている人もいるかと思います。

実際、私も殺菌石鹸を使った場合は洗い流す時間を多く持つなど心理的に影響を受けています。

そこで、普通の石鹸との見分け方をご紹介します。

石鹸やハンドソープを選ぶ時によく見かける言葉として『薬用』という言葉があると思います。もし今回アメリカで禁止された殺菌成分を使いたくない場合は『薬用』と書かれた商品は控えた方がいいでしょう。また、『殺菌』や『抗菌』と書かれた商品にも多くの場合トリクロサンやトリクロカルバンが含まれています。理想は、この2つの成分が入っていないかパッケージを見て確認するのが確実です。

『化粧品』か『医薬部外品』かという部分。

普通の石鹸は『化粧品』として販売されていますが、殺菌石鹸は『医薬部外品』として販売されています。つまり、『医薬部外品』の一部の商品にトリクロサンやトリクロカルバンが含まれています。

『医薬部外品』となっている場合はパッケージで成分を確認。

『化粧品』となっている場合はトリクロサンやトリクロカルバンが含まれていない。

これらの方法を使い見分けましょう。

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最後に

現状としては、国の判断待ちとなっていますが、既に「薬用石鹸を止めた」という人も出てきています。

今後どうなるかは分かりませんが、ここ十年ほどの間に『薬用』と書かれた石鹸が急激に増えてきた様にも感じますね。

恐らく、『薬用』という言葉を付けると『売れる』という事かと思いますが、菌に対して少し神経質になり過ぎているのかもしれません。

「多少、菌に触れる環境の方が強く育つ」なんて事も言われていますから、なんでも『殺菌』してしまうのではなく程よく菌と付き合っていくのが良い環境なのかもしれません。

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