国民健康保険と社会保険の違い。扶養制度、変更後の基準とは?
国民健康保険と社会保険の違いって?!
社会保険・・会社で加入する保険
国民健康保険・・個人事業主や自営業の人が加入する保険
漠然と分けるとこういった事になりますが、今回はもう少し掘り下げて違いを見てみましょう。
特に、2016年10月より社会保険の扶養基準が変わったので多くの方に影響を与えます。今まで通りの勤務ではこれまで無縁だった社会保険料を支払う義務が生じるかもしれません!!
社会保険
社会保険は、会社を通して加入しているので手続きなどに関しても会社で行われています。その為、意外と仕組みを理解していない人が多いかと思います。
実際「病院で保険がきく」といった漠然としたイメージだけの人も居るでしょう。
社会保険は、企業で働いている人で一定の条件を満たしている人に加入が義務化されています。
社会保険は5種類ありますので、それぞれの役割を確認してみましょう。
健康保険
健康保険は別名『医療保険』と呼ばれ病院に行った際に自己負担が3割で済む保険です。
病院に行くと保険証を提示しますね。保険証は健康保険に入っているから所持できるのです。
厚生年金
厚生年金とはいわゆる『年金』の事で会社員の加入する年金を指します。
年金は保険といったイメージがないかもしれませんが、厚生年金の正式名称は厚生年金保険で社会保険の一部となっています。
介護保険
介護保険は40歳以上になると支払い義務が生じます。
病気などにより介護が必要になった場合に受けられるサービスです。
雇用保険
失業した際の失業期間中に生活を支える保険です。
失業保険や失業手当といった呼ばれ方をされる事もあります。失業後にハローワークに行き手続きを行います。
労災保険
労災保険は、通勤途中や勤務中の事故、または勤務が影響して病気になった際などに、被災した本人または遺族に対して補償する保険です。
以上の5種類をまとめて社会保険と呼びます。ただし、介護保険は40歳を超えてからなので40歳未満の方は4種類という事になります。
国民健康保険
国民健康保険は個人事業主や自営業の人が加入する保険です。厳密に言うと『会社員として働いていない人が加入する保険』で無職の人も社会保険ではなく国民健康保険に加入する形となります。
しかし、一般的には『会社で加入する保険=社会保険』『個人で加入する保険=国民健康保険』と捉えられているのでこちらの記事でもそういった捉え方で解説を進めています。
国民健康保険は厳しい制度?
社会保険と国民健康保険の違いの1つに『保険料の金額の違い』があります。
多くの場合、社会保険に加入している会社員より、国民健康保険を利用している個人事業主の方が大きな金額を負担する形となります。
社会保険は会社が半分負担していますが、国民健康保険は個人で加入しているので全額を支払わなくてはなりません。
また、国民健康保険には扶養という概念がないので養う人数が増えた分だけ支払う金額も増えてしまいます。一方、社会保険は扶養制度があります。
その為、一概には言えませんが人数が増える程、社会保険の方が安く済み、国民健康保険の方が高くなっていきます。
この記事を書いている私自信も個人事業主なので家族の人数分まで保険料を支払い厳しい出費となっています。
社会保険の扶養基準が変更
冒頭でも触れましたが、社会保険の扶養基準が変更となりました。
これまでの基準では年間130万円を超えると社会保険の加入義務が生じましたが、新しい基準では106万円となっています。
さらに詳しい基準を見てみると、
- 賃金が月8.8万円
- 週20時間以上の労働
- 1年以上働く見込みがある
- 従業員501人以上の企業
- 学生以外
労働時間に関しても、これまでは週30時間以上が基準となっていました。金額だけでなく他の部分でも基準が厳しくなっており、多くの人に影響を与える事になるでしょう。
「今まで通りに働いていたら基準を超えていた」という事も十分に起こりうるので、企業側と勤務時間や収入を調節するようにしましょう。
最後に
以上のように、社会保険と国民健康保険では大きく異なった仕組みとなっています。
私は、無知のまま個人事業主になってしまいましたが、この違いを知った時は愕然としました。
社会保険は会社に守られているので負担額も全く違ってくるのです。今回は触れていませんが、将来貰える年金の額も社会保険と国民年金では全く違った金額なんですよね。社会保険の方が圧倒的に大きな金額を貰えます。
平等性に欠けるので基準が変わるのでは?!といった話もありますが、それどころか国民年金の支払額も上がっていく一方です。少子高齢化の世の中ですし、多分、いい方向には進まないでしょう。
社会保険の扶養基準に関しても、さらに厳しい基準になるかもしれません。