ドラム式洗濯機の人気が急落?縦型とどっちがいい?違いやメリット・デメリット
洗濯機は洗浄方法や乾燥方式の違いで『縦型』と『ドラム式』の2種類に分類されています。
10年ほど前であれば、『縦型=古いタイプ』『ドラム式=新しいタイプ』といったイメージを持たれていましたが、最近ではこの傾向にも変化がでてきました。
洗濯機は、2002年頃まで販売台数の減少傾向にありましたが、その後、徐々に増え始めて現在は毎年450万台前後売れています。
2002年といえばドラム式が徐々に普及し始めた頃なので販売台数の後押しにもなっていたのでしょう。しかし、それから15年程の時間が経ち多くのドラム式が買い替えの時期に差し掛かっています。
そして、ドラム式を使っていた人が縦型に戻すという現象が起きているのです。
販売台数の割合
まずは、販売台数の割合を確認してみましょう。
データは、2015年の日本での販売シェアを調べたものです。
ドラム式・・・17%
縦型・・・80%
二槽式・・・3%
以上のように圧倒的に『縦型』の販売台数が多くなっています。
推移を見てみると、ドラム式は一定数の販売を維持していますが、縦型は徐々に販売台数を増やしています。
電化製品の売り場を見るとドラム式の方が売り場面積を大きく使い主流となっている感覚になりますが、実際はドラム式より縦型の方が4倍以上の販売台数を誇っているのです。
洗浄方式の違い
洗濯機は、その名の通り衣服を洗濯するための電化製品です。その為、汚れがしっかり落ちるかどうかも重要なポイントとなります。この点においては、色々な見方はありますが意外にも『縦型』の方が有利とされるのが一般的な考え方です。
縦型
縦型は、『かくはん洗い』と呼ばれる方式になっています。大量の水を使い、水流を使ったもみ洗いとなるので汚れが落ちやすく生地が痛みづらいというメリットがあります。
一方で再三言われている事ですが、水を多く使うので水道代がかかるというデメリットがあります。
ドラム式
ドラム式は、『たたき洗い』と呼ばれる方式になっています。洗濯中のドラム式を覗いてみると水が洗濯槽の下の方にしか溜まっていません。その僅かな水でたたき洗いをして汚れを落とすのです。水に浸かった状態で洗浄するわけではないので衣類の汚れが落ちづらく、場合によっては事前にすすいでから洗濯する必要がでてきます。
但し、使用する水の量は圧倒的に少ないので水道代の節約に繋がります。
汚れの落ちやすさに関しては、意見の違いがあるかと思います。しかし、ドラム式を使っていた人が縦型に戻る理由や、縦型が今でも人気の理由はこういった部分も関係しているようです。
価格の違い
不景気、不景気と言われているご時世です。価格の違いは販売台数の違いに直結します。
洗濯機を選んだ事のある人なら実感しているかと思いますが、ドラム式は縦型より圧倒的に高い価格設定となっています。同スペックの製品で比べても価格差はあきらかです。
価格が高い分、性能も上回っていれば高くても売れると思いますが、縦型の洗濯機でも十分に役目を果たせます。同スペックで価格の違いがあれば安い方が売れるのは必然的と言えるでしょう。
振動の違い
洗浄力と価格の違いの次に挙げられる点は、振動の大きさの違いがあります。
筆者は、縦型から10年程前にドラム式に買い換えましたが、買い換えた当初は振動の大きさに衝撃を受けました。最近のモデルは当時より静音性が進んでいるかと思いますが、レビューなどを見る限りでは今でも縦型より振動が大きいようです。
一軒家では問題ないかもしれませんが、マンションなどの集合住宅では周辺住民に迷惑をかけてしまう可能性も十分に考えられます。構造上、今後も完璧に抑える事は難しいでしょう。
まとめ
以上のような理由から、ドラム式から縦型へ戻す人が多く縦型の販売台数が増えているのではと考えられます。
もちろんドラム式にも、
- 洗濯物を取り出すのが楽
- 乾燥機能が縦型より優秀
といったメリットがあります。
しかし、消費者はメリット以上にデメリットを感じているか、価格差を出す程のメリットは無いと判断したという事です。もし、十分なメリットを感じていればドラム式の販売台数が伸び続けているはずです。
乾燥機能や節水を優先するならドラム式、洗浄力や静音性を優先するなら縦型、さらにそこに価格差を考慮して、どちらの方式がご自身の使い方に合っているのか判断して購入を検討しましょう。