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想像と全く違った!『働かないアリに意義がある』を読んでみて

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働かないアリに意義がある

『働かないアリに意義がある』こちらの本はタイトルに惹かれてかなり前から気になっていた本です。
タイミングとキッカケがなくなかなか実際に手に取る事は無かったのですが、よく行く飲食店の本棚に置いてあることに気がつき、迷わず、

「この本お借り出来ませんか?」

と言ってしまいました。
お店の常連ということもあり、お店の経営者とも顔見知りとなっていたので、

「いいですよ、ゆっくり借りて下さい」

と言って頂けました。

読み終えた感想を書き綴ってみたいと思います。

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若干タイトルのイメージとは違う

タイトルを見ただけでも興味を持ち、読んでみようと思う方も多いのではないでしょうか。実際、私もその一人ですし。
ただ、私はタイトルを見て人間社会をアリの世界に置き換えた話を本にしたものと勘違いをしていました。こちらの本は働かないことに意義があるという著者の理論を読める訳ではありません。
人間社会に置き換えるような場面も少しはありますが、あくまでも生物学の本です。
働いていない事への負い目を感じている人が読んでもアリの生態に詳しくなるだけです。ケガや病気で働けていない人がこの本にたどり着いたとしても少し肩透かしを食らう事になるかと思います。

このタイトルは売上にも相当貢献したのではないでしょうか。
上手い事つけたものです。

真社会性生物を追求

生物学の世界ではハチやアリのように女王を中心にし、コロニーで生活を営んでいる生物を真社会性生物と呼んでいます。この本では真社会性生物(その中でもアリ、シロアリ、ミツバチについて)の進化や適応について追求し紐解いていく内容となっています。

正直、知らない事だらけでした。
身近な生物ばかりではありますが、あまりにも専門的な内容も含まれているので、サラッと読める内容ではありません。小説を読むよりずっと時間を必要とします。ただしっかりと構成された内容となっており、次の章、次の章へと自然と興味を持ち読み進めていきたくなります。タイトルの想像とは全く違った内容だったはずなのに。
著者が学者(研究者)であることが内容からにじみ出ており、純粋にこの分野に興味を持ち追求しているのが伝わってきます。断定的に内容を書かないあたりにも著者の誠実さが感じられ、著者のいい人柄を感じられたのも読み進められた理由の一つかもしれません。

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第三章が少し難しい

読んでみて思ったのが第三章が少し読みづらい。。

普段そんなことはまず無いのですが、本の中盤にも関わらず第三章を丸々読み返してしまいました。著者なりに分かりやすく伝えようとしていますが、遺伝学など元々知識のない人には難しい内容となっています。
ただ第四章になるとまた興味を引く分かりやすい内容なので心折れずに乗り越えたい所。
もし読みづらかったら、章の最後に、その章で何を伝えたかったかのポイントだけをまとめてくれているので、そこを読むだけでもいいかもしれません。第三章を理解出来ずに読み進めてもそこまで支障は無いかと思います。

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まとめ

思っていた内容と違っていても最後まで読ませてくれる魅力があります。
200ページほどのボリュームなので、普段であれば2時間ほどで読めますが、この本に関しては5時間かかりました。それだけ内容の詰まった読みがいのある作品です。
「仕事しない人間にも意味があるんだ」という内容と勘違いしてこの本にたどり着いた人も読む価値あると思いますよ。私自信が勘違いして読み始めて、気がつけばどっぷりアリの世界に浸っていましたから。

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)
お勧めです。

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